1.口に入る用途には飲用可能な水を
飲料水は、飲むだけでなく、調理、食器や食品の最終的なすすぎ、歯磨き、薬を飲むときなど、口に入る可能性がある用途に使います。市販の飲料水、水道水の適切なくみ置き、自治体が飲用可能として提供した水を使いましょう。
生活用水は、自治体や所有者が認めた範囲で、トイレ、掃除、洗濯などに使う水です。災害時協力井戸の多くは飲用ではなく生活用水として登録されています。
井戸水や雨水などは、見た目だけで安全性を判断できません。「飲用不可」「生活用水」と案内された水を、飲み物、調理、歯磨き、乳児用ミルクなどに使わないでください。
2.容器と置き場所を分ける
- 色や形の違う容器を使う飲料水は市販ボトル、生活用水はバケツや専用ポリタンクなど、見ただけで区別できるようにします。
- 大きく表示する生活用水には「飲用不可」「トイレ用」「掃除用」などと油性ペンで書きます。
- 保管場所を離す飲料水と生活用水を同じ棚や箱へ混ぜず、子どもにも違いが分かる場所へ置きます。
- 道具も分ける水をくむひしゃく、じょうご、ホースなどを飲料用と生活用で共用しないようにします。
3.限られた生活用水を使う順番
衛生を守るため、手洗い、体の清拭、必要な洗濯、掃除など、健康への影響が大きい用途から考えます。手洗い用の安全な流水が確保できない場合は、汚れをウェットティッシュ等で拭き取り、手指消毒剤を使用する方法もあります。
風呂の残り湯や井戸水をトイレへ流せる場合もありますが、これは下水道と建物の排水設備が安全な場合に限ります。水が手元にあるからといって、すぐ水洗トイレに流してよいとは限りません。
4.地震後は、まず携帯トイレ
大きな地震では、下水道管、ポンプ所、建物内の排水管が壊れていることがあります。東京都下水道局は、配管が破損した状態で流すと、詰まり、汚水の逆流、破損箇所からの噴出が起きる可能性を案内しています。集合住宅では階下へ逆流するおそれもあります。
- 便器や排水管に目立つ破損がないか確認する。
- 自治体や管理会社の下水道使用情報を確認する。
- 安全が確認できるまでは、便器に携帯トイレを取り付けて使う。
- 使用後は袋を確実に閉じ、自治体の回収方法が案内されるまで決めた場所で保管する。
携帯トイレの目安は1人1日5回分
経済産業省は1週間分として1人35回分を推奨しています。家族4人なら1週間で140回分です。凝固剤、便袋、保管用の防臭袋をセットで準備しましょう。
家族で決めておきたい3つのこと
- 飲料水と生活用水の容器・保管場所。
- 携帯トイレと保管用袋の置き場所。
- 下水道情報を確認する自治体サイトや連絡先。
平時に一度、携帯トイレの説明書を読み、家族で設置方法を確認しておくと、暗い場所や停電時にも慌てにくくなります。
参考にした公的情報
- 東京都下水道局「災害時のトイレ対策について」(下水道使用制限、排水設備破損時の逆流)
- 内閣府「トイレ備蓄忘れていませんか?」(携帯トイレの備蓄目安)
- 京都市上下水道局「ご家庭でもできる災害への備え」(断水・下水道破損時の注意)
- 農林水産省「避難所・炊き出しでの食中毒予防について」(水が使えない場合の手指衛生)
- 厚生労働省「被災地での健康を守るために」(飲料水、手洗い、トイレの衛生)
